烏賊下足屋台

ついったーに収まりきらないお気持ちぶち撒け広場

急進派とは

 

まず最初に言っておくが、私は何事も保守派に当たる意見を持つタイプの人間である。変化をあまり望まず、必要かどうかは時間をかけてしっかり見定めたい。そんな性質の人間である。

保守派と急進派と言うのは対義語で語られるところだ。日本では国民の性質上保守派が多いと感じる。急進派はいつでも不安がられ、なるべく変化を望まない国民性も相まって少数派であることがほどんどだ。
しかし、この急進派が何の疑いもなく持ち上げられている議題がある。
それが禁煙法に関してだ。

※禁煙法、というと少々語弊があるかと思うが、ここでは便宜上そう呼ばせていただきます。

オリンピックをダシに受動喫煙を防止するため制定が急がれているこの問題だが、そんなのはただのお飾りで、実体は嫌煙家が煙草を自分たちの理想郷のため排斥しようとしている様にしか見えない。
もちろん、喫煙者の全体的なモラル意識の低さやマナーの悪さが目立つのもわかる。かつては私も嫌煙派であった。だが、一時であれ私も煙草を吸った身。どちらの気持ちも痛いほど分かる。
吸いたくない人にとって、なんであれ煙は健康を害する邪悪でしかないのだ。それは休日の騒音と同じレベルで苛立つし、ちょっとした公害レベルだったりもする。
では吸う人はどうだろう。都内はもはや迫害の域で喫煙者への少々無理のあるゾーニングを強いている。愛煙家は文字通り肩身の狭い思いをしながら、さながら砂漠のオアシスのような喫煙所に押し込まれている。これではせっかくの煙草の香りや味が台無しである。(愛煙家の友人はこれを「嫌煙ブーム」と呼んでいた)

煙草に焦点を当ててここまで語ったが、急進派と保守派の争いは、なにも政治に限った話ではないとご理解いただけたかと思う。

政治に関して言えば、小泉元総理の時代、郵政民営化が最大の政策であったが、自衛隊などの防衛関係については危機感を持った方も多かったと感じている。これを書いている2017年8月現在の安倍総理に関しても、9条に関するアレコレで不安を抱えている人も多かろう。これは急進派への生理的嫌悪も、少なからずあると私は考えている。日本国内において、残念ながら「出る杭は打たれる」のだから。

しかし禁煙法についてはどうだろう。あまりにも他の意見を無視した急進派の横暴ではないだろうか。嫌煙家の声が大きいように感じるが、それは単に広告を打っているかどうかの差である。正義の名のもとに、喫煙者からすれば女子供を人質に、この条例・政策を推し進めようとしているように映る。

ちなみにこれだけ書いておきながら、私は現在は非喫煙者である。元喫煙者といった方が良いか。ただ吸っている行為自体に意味を見出している気がして、それでは煙草農家や煙草という文化に失礼だと思ったからだ。煙草を味わうことを忘れた自分に、吸う資格など無い。


結局何が言いたいかというと、何事もじっくり考えて、あらゆる人が暮らす民主主義の国であるということを忘れないでほしいということだ。

正義の名のもとに、自分にとっての悪を排除したいなら、他所でやってくれってこと。